禍福はあざなえる縄のごとし
禍福はあざなえる縄のごとし
ということばある。
幸せと不幸の分量はおなじだよってこと。
幸せのあとには不幸がやってきて
不幸のあとには幸せがやってくるってこと。
少し前に読んだ本に二人の女の子が出てきた。
一人はとても美しく才にあふれ人徳もある。
だが、その子は、福の後に来る禍を怖れて生きていた。
きっとこのあと、この幸せより大きな不幸がくるんだと…。
もう一人の女の子は、凡庸な容姿で
一つのことに際立った才能を持っていて、
その力で生きていく。
しかし、これでもか!というほど不幸が襲ってくる。
それでも、その子は
不幸のあとにやってくる幸せを信じて不幸の荒波を乗り越えていく。
どちらが生きていくときに幸せなんだろう。
生活のなかに小さな幸せを見つけて、喜べる力。
ほんのわずかな変化を見つけて、喜べる力。
その喜びを、仲間に伝え、わかちあう力。
そうした力を 私は身につけたい。
そうした力を 私はこどもたちに育てたい。
育てるまでは至らぬかもしれないが、
そんな考え方の方法を、伝えておきたい。
人が大きくなるのは、人を助けるため。
より沢山のひとと幸せを分かち合うため。
この頃、私はこどもたちによくそういう。
あんたができるようになるのは、
あんたが楽しくなるためだけじゃないよ。
あんたが力持ちなのは、弱い子の荷物もったげるため。
あんたの足が速いのは、困っとる人を助けに速く行くため。
あんたが楽しいこと見つけるの上手いのは、
みんなを楽しくさせてあげられるけ、素敵じゃね って。
こうした言葉は、考えて口から出てきた言葉じゃない。
いつの間にか、本気でそう思うようになったこと。
だからね、これって、私の保育の根幹だとも思うんよ。
このこと、もう少し大切に考えていきたいないうて思うとる。